令和7年7月 |
今回も砥石を使った試し砥ぎと考えていましたが変更です、「鉋刃について」にしました 皆さんは複数の刃物を使い比べて、同じように砥いだのに切れ味が違うとか切れ持ちが悪いと感じたことはありませんか 鉋、刃物の材質や刃先角度等は別にしまして、砥ぎ方はあくまでも同じ条件で砥いでいるつもりなのに それでも使った感覚や切味さえもそれぞれ違う、なぜなんだろう、こんな素朴な疑問を持ったのがきっかけです 鉋台、鉋刃の鋼の材質や硬度、刃先角度等は今回は別にして、刃先だけにスポットを当ててみました 見た感じは大体同じ様だけど、目に見えない刃先の状態も同じように砥げているのだろうか ということで、刃先を拡大して実際に見比べました、エッということを自分なりに発見しましたのでご報告します 刃先はUSBズームカメラを使用して観察しましたが、知らない世界を見ることはとっても面白いものです 倍率は500倍まで拡大できますので人間の目では見えない部分まで見ることができると思います 鉋については専門のサイトに委ねたいと思っています、あくまでも素人の洞察ですからサラッと読み流していただければ幸いです |
鉋の刃は寸八、かなり昔の代物です、幾十にも重ねて地金を鍛えているのがわかります 刃先が分かるように照明を刃先に当てていますが、全体に綺麗には光ってくれませんでした |
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天然砥石で仕上げています |
天然砥石で仕上げています |
一枚の刃を砥ぐのにも結構時間を費やしますが、仕上がったらホッとします 右の刃には照明を当てていますので、刃先が白く光っています |
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天然砥石で仕上げ |
天然砥石で仕上げ |
砥いでいる時に出て来る巣穴、砥いでも砥いでも出てきますので刃先はガタガタのままです 巣穴がある限り、これではどんな砥石で砥いでも刃先はガタガタになると思います |
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裏面を500倍 |
裏面を500倍 |
黒い丸い点々が巣穴です、仕上げても刃先はがガタになっています 巣穴は表面だけではありません、鋼の内部にも球体(泡状)として存在しています |
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裏面を500倍 |
裏面を500倍 |
左の写真ですが巣穴にもこんな大きなものもあります、 右の写真は鉋刃を鍛えている時にできたであろう傷、皺でしょうか |
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裏面を500倍 |
表面を500倍 |
巣穴のない刃先を天然砥石だけで仕上げてみました、写真では伝わりにくいですが鏡面状になっています 白い点々はティッシュの繊維屑です、ガタガタの無い刃先は切味が数段違いました、巣穴が何処にも見当たりません |
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表面を500倍 |
表面を500倍 |
仕上げたつもりなのに、カンナで削っても薄い鉋屑が出てこないし、切れの持ちも悪いのがあることを気にしていました 見た目は平らになっているし、刃先も丸くなっていない、角度も吟味して真っ直ぐに砥いだつもりなのに、切れない、なぜなんだろう そんなことで以前より堂々巡りをしていましたが、拡大して自分の目で見て初めて知りました、目から鱗が落ちるとはこのことでしょうか 鋼に巣が沸いていたのです、丸い点々状で粒の大きいものから小さいものまでたくさんあります 中にはこれが数珠つなぎになってえぐれている部分もあり、砥いでも砥いでも刃先はガタガタになっていたのです 昔も顕微鏡がありましたので見ようと思えば見れたと思いますが、ここまで思いつきませんでした 手持ちの鉋の刃先を全て観察しましたが多かれ少なかれ、多少は巣が発生していました 切れ味は、やはり巣の発生が少ないほど良いように感じましたが、素人の判断ですから絶対とは言い切れません ただ、鏡面仕上げに近づくほど擦り傷はすくなくなっていましたし、刃先が丸くなっていれば白く光るのは、これは見た目でわかりますが 肉眼では巣穴は見えませんし、傷等もわかりませんでした 鉋刃の鋼にも、硬いものやそうでないものもあります、刃先の角度がどの位が一番いいのか鋼の硬さや削る木材によっても変わってきそうです 素人ですからどの組合せがいいのか、未だにわかりませんが拡大写真は良い参考資料になったと思っています |